ifの話

「もしも…」っていう空想語ったり、Reality話だったり、絵だしたり

アニポケ劇場 ~少年はこたつで丸くなる~

 冬真っ盛り。寒さは厳しくなるばかりである。そんなときに役立つあのアイテム…
「あぁ~…こたつ最高ぅ…もうここから出たくない…」
 サトシ君、すっかりこたつの虜に。
 すると、急ぎ足でこたつに突入する人影が…
「さっむい…あ、ミカン持って来たよ。一緒に食べようぜ」
 シゲルだ。最近シンジやシューティーといることが多く、サトシと過ごす時間は、今や貴重なのだ。
「おぉ、サンキュー。…ところで、シンジとかはどうした?」
「外。まぁ、子供は風の子って言うからな」
「いやお前らも子供だろ」
 噂をすれば影。シンジ参上。
「どうしたの?かまくら出来た?」
「あの雪の量じゃそんなモン作れん。奴は作る気らしいがな。…あ、ミカンくれ。腹減った」
「もう食べてるじゃないか」
 皮を向きながら、さりげなくこたつに入るシンジ。
「しっかし、イッシュ地方でも雪くらい降るだろ?何であいつあんなはしゃいでるんだ…」
「いやでもやっぱり雪見ると興奮するだろ。シンオウ地方では見飽きてるだろうけど」
「一部ではな。…って、同じ気持ちならお前も遊んで来いよ。足邪魔だ」
 そう言ってサトシの足を蹴る。
「いやだ。寒い」
 言い返してシンジの足を蹴り返す。
「もともと小さいこたつなのに、三人も入ってたら窮屈だ。出ろ」
 また蹴り返す。
「嫌だよぅだ」
 舌を出してさらに蹴り返す。
「チッ…おい。なんか言ってやってくれよ。子供は風の子なんだろ?」
 サトシの足をまたまた蹴りながら、シゲルに目をやった。
「いや、それを言ったら僕も出る羽目になるので、辞退するよ」
「卑怯者」
 サトシに足を蹴られながら言った。
 こんなやりとりがしばらく続いた。

「シンジー、いつまでミカン食べてるんだよ。待ってる間に雪だるま一個出来ちゃったぞ」
「…え、あ、もうこんな時間か…」
「シュー君も入らない?寒いだろ?」
「じゃ、じゃあお言葉に甘えて…」
 ちゃっかり入り込むシューティー。
「…狭い」
「だろうな。三人であれだったんだから」
 しかし、いくら暖かくても、こんな窮屈なところでじっとしているのは退屈だしヒマだ。
「…そうだ!バトルしようぜ!
「ここでか?」
「違う違う。ゲームだよ。俺のピカチュウ、「アッシュ」って言うんだけど強いぜ」
「それ完全にお前自身だよな」
 ゲーム内のデータにすら愛着がわいている辺り、彼のポケモン好きが伺え…
「攻撃VかUを探すのに一苦労だったんだぜ。何度厳選しては逃がしたことか…」
「…え?」
「ウソウソ。いくらゲームでもシンジみたいなことはしないって」
 とりあえず、話は決まったようだ。問題は…
「じゃあ言い出しっぺのサトシ、DS持ってきて」
「えぇ?!何で俺なんだよ。あ、シゲル行ってきてよ」
「やだよ。じゃあシンジ君、後は頼んだ。全員リビングにおいてあるから」
だが断る。シューティー、お前行け。一応後輩だろ?」
 一周した。だがここで音を上げるようではこの世界では生き残れない。
「いや、やっぱりここは言い出しっぺが行くところだと思う」
「いやいや、やっぱり一番精神年齢オトナのシゲルが行くべきだろ」
「いやいやいや、やっぱりここはポケモン廃人として名高いシンジが行くところだよ」
「いやいやいやいや、ここで後輩であるシューティーが行かなくてどうする」
「いやいやいやいやいや…どう考えてもここはサトシが…」
「シゲル!」
「シンジ!!」
「シューティー!!!」
「サトシ!!!!」

「ちょっとサトシー、DSの充電コード繋ぎっぱなしだったわよー」
 カスミが、サトシのDS片手にやってくる。暖房器具をよく使うこの時期、電気代が尋常じゃないので、皆に節電が求められているのだ。
「…あれ」
 その頃には、四人はくたびれて横になっていて、寝息を立てていたのだった…。


~あとがき~
一日で完成させました。すごいでしょ((
前々から書きたかったんですよね。
スペは今年まだ祖母の家でしかこたつは使ってませんが、やっぱりいい物ですよね。
そしてもし気力があるなら、最後のシーンのイラストを描きたいなぁと想いつつそんなの無理なんですけどね。
では、ここまで読んで下さり、ありがとうございました!!