ifの話

「もしも…」っていう空想語ったり、Reality話だったり、絵だしたり

アニポケ劇場 〜メリー・クリスMAX!!!〜

 12月23日の寮。サトシとアイリスが手紙を書いている。
「あれ、何してるの?」
「あ、デント。今、サンタさんに手紙書いてるんだ」
「あたしも」
「…へぇ〜」
(…まさか、二人が信じていたとは…!!)
 イヤあんたらもう10歳だろ?!とも思ったが、子供の夢を壊すのは気が引けるので、何も言わないでおいたデント。
 だが、ここでやって来たのは、その夢を壊しかねないあの人。
「あれ、サンタに手紙?」
「あ、シューティー。お前も書く?」
(…マズイ!!プラズマズイ!)
 ここで予想されるシューティーの言葉。
『サンタは父さんと母さんだよ。基本だろ?』
 デントが、何とか話題を変えようとしたその瞬間、彼は驚くべき事を言った。
「あのね君たち、サンタはこの時期プレゼントを配るのに多忙なんだ!手紙は遅くとも夏までに出す!基本だろ?」
(嘘ー?!)
 なんと言う事。基本厨の意志はそっちか!
「じゃあシューティーはもう書いたんだ?」
「春のうちに出したさ。基本だろ?」
 何かわくわくしている。
(……サンタ?そう言えば…)

「ハルカ、今年もサンタやらない?」
「お断りします」
 もはや定番となってしまったデントのエンター提案メント(ハルカサンタについては下参照)。
「まあ良いじゃないか!今年もみんなに夢(プレゼント)を届けようじゃないか!」
「もうやらないかも!そういうのは他の人に頼んで欲しいかも」

「…って、ハルカに言われちゃったんだよ。だから…」
 沈んだ気持ちを引きずって、デントはある人にそれを頼む。
「シゲル!シンジ!シューティー!僕に協力してくれ!!!!」
「…オレらに頼む事自体が間違ってる。さっさと消えろ」
 確かに。この手の話にこの三人(特にシンジ)が乗るはずがない事を、彼も十二分に知っているはずだ。
「だって、タケシは忙しそうだし、カスミはサトシをデートに誘うんだって張り切ってるし、当然サトシは誘えないし。ヒカリとアイリスには秘密だし。てなわけで!君らだけなんだ!!」
「いや、そんなコトしなくても良いじゃん。サンタが居るんだし」
 …沈黙。
「………え、シューティーサンタ信じて…」
「わーわーわー!!!!!」
「?!」
 いろいろと驚きを隠せないシンジ。子供の夢を守ろうと必死のデント。それにビビるシゲル。
「やっだなぁシンジ!サンタはいるに決まってるだろう!でなきゃ、毎年君が貰ってプレゼントは何だい?親?いやいや、じゃあなんでサンタが生まれたのさ?答えは簡単。プレゼントをくれるのがサンタだからだぢょ(よ)!!!
「…最後噛んでるぞ」
 とりあえず、『サンタは居ない』は禁句である事が判明。
「で、何でサンタになってプレゼントを?」
「いやね、サンタさんのお手伝いさ。実は、僕はサンタと密通してたのさ」
(嘘付けキャベツ)
「ホントかい?でも噂では、サンタと密通してるのはシンオウ地方の子供だって言うけど…」
(そこは信じるなよ!ていうかシンオウの子供はそんなことしてねーよ!!)
 シンジ(とヒカリ)には、とんだとばっちり。
コホン…それで、そんなサンタさんは毎年毎年子供にプレゼントを渡すのが仕事。だが、なんとあろう事か、昨日ぎっくり腰になってしまったとか!!」
「えーーーーーー?!?!」
 三人が驚きの声をあげる。ちなみに、シンジとシゲルは呆れも入っている。
「そこで、僕に助けを求めたんだ。他の地域は別の人がやってくれるらしい。でも、僕一人ではこの地域だけでもプレゼントを配りきれない。そこで、君たちにも手伝ってほしいんだ」
「了解。僕でよければいくらでも!なんせサンタさんの頼みだからね」
「えー、じゃあ僕も、かな?」
 デントがありがとうと、目を輝かせた。が、
「俺は却下。冬の夜は布団かこたつの中で丸くなっているのに限る」
チョロネコか君は」
 『チョロネコ』と聞いてビクッと身震いするデントをよそに、シューティーが不満そうにツッコむが、シンジは聞く耳を持たない。
「そんなくだらない事に付き合う気はない。第一、明後日は大事な用がある。夜更かしなんてする暇はないんだ」
 そう言って、さっさと去ってしまった。
 デントが、シンジの用をシゲルに聞くと、
「それがもう本当にスペシャルな御用!ヒカリとデートの約束が出来たんだってさ」
「へぇ〜…………って、なぬぃーーーーーーーーーーーー?!
「本当、驚きだよね。僕もそれ聞いて一回気絶しちゃった」
「本当、あのときは驚いたよ。シゲルさんのリアクションにも」
 デントが、改まって言った。
「それじゃあ、明日の夜から作戦開始だよ」

 24日。クリスマスイブと言うことで、街ではカップルがごった返している。
「…全国のカップルに言おう。クリスマスは明日だぞ!!!」
「こんなところで愚痴ってもしょうがないよ?シューティー君」
 言ってることは正しい。前日に盛り上がって当日に燃え尽きるとはよくあること(作者体験済み)。
「でも、その理屈で言うとシンジ達は素晴らしいね。ちゃんと当日にデートするんだから」
リア充なんて滅べ」
「………」
 そこへデントが。
「二人とも。プレゼントの準備は出来てるから、夜は頑張ろうね」
「え、あぁ。子供達に夢を与えなくちゃね!!」
「と、その前に…」
「?」
 次の瞬間、デントは食堂を指さして言った。
「今日はクリスマスパーティーさ!!」

 夜。子供達がすやすや眠っている頃、それは始まった。
「さあ、ChildにDreamをPresentしよう!」
「何でいちいち英語?」
「I think that it is ツッコミ prohibition. (ツッコミ禁止だと思う)」
 シューティーが本場の英語を見せたが、そんなのはこの際どうでもイイ。
 とにかく、冬と言えど夜は早い。急がねば。
「まずは…部屋番号順でアイリスからだね」
「ところで、部屋番ってどうやって決めてるんですか?」
「多分名前順」
 こっそりドアを開ける(どうやって開けたのか)と、枕元に箱をおいた。
「ところで、中身は何だい?」
「えっとね…オレンの実一週間分」
 あえてノーコメントで部屋を出るシューティーとシゲル。
 その調子でカスミ(スターミーのクッション)、サトシ(ピカチュウ♀の等身大フカフカぬいぐるみ)にもプレゼントを渡し(だからどうやって開けたのよ)、シンジの部屋に入ろうとした、が、
「………」
 なぜかドアの前で硬直するデント。
「どうしたのデント?」
「いや、ここには入らない方が良い気がしてね…」
「?」
 デントがどうしてもと言うのでとりあえず、シンジへのプレゼントはドアの前に置いておいた。
「で、シンジのプレゼントは何?」
「んー、なぜか女の子用のブレスレットだった」
「???」
 とりあえず続けてタケシ(カスミが焦がした鍋の代用品)、ハルカ(デリバード形のミニケーキ)、ヒカリ(ポッチャマのキーホルダー)にもプレゼントを渡して、無事任務成功…
「ちょっと待った。まだ終わってないよ」
「まだあるの?」
「この寮には10人の子供がいる」
「うん…あ」
 二人が気づくと同時に、デントはプレゼントの箱を二つ差し出した。
「シゲル、シューティー、メリークリスマス!」
 すると、それと重なるように二人が言った。
「管理人のプレゼント!」
 沈黙。

 後日。
「ふぁあぁあぁぁ〜…」
 デントが大あくびをする頃、洗面所はヒカリが占領。
「うわぁ!!寝癖が直らないー!!」
(…長いな…)
 腕時計を見ながら、シンジは待ちぼうけ状態になっていた。


〜あとがき〜
こういう行事に関する小説って、締め切り(イベント当日)が迫って、オチが中途半端になるか、いっそやめちまえって感じですよね…。
まあ、今回はまあいい方ですけども。
そうそう、去年のクリスマスイブ漫画↓

ハルカのサンタ姿が見られますよ(だからどうという訳じゃあないが)。