ifの話

「もしも…」っていう空想語ったり、Reality話だったり、絵だしたり

アニポケ劇場 〜出会いの刻〜

 管理人、バイトさんと共に倉庫に向かう。
「アルバムの整理ですかぁ。シューティーさんがいっぱい写真撮ってますもんね」
「私も時々撮ってるし、いつの間にか撮った覚えのない写真が紛れ込んでたりもするんだよね」
「それ、怪奇現象ですよね」
 苦笑するバイトさんを気に留めず、管理人は倉庫の鍵を開ける。
 すると、家の押し入れでよくあるあのパターン。
「わぶっ」
 倉庫のドアにちょうど立て掛けてあったと思われるアルバムが、ドサドサ管理人にのし掛かってくる。
「わぁ、東日本大震災もあったから、アルバムがこっち来ちゃったんだ」
「震災の影響?」
「良く原型保ってたニャ」
「私、被災者ですか…??」
 ともかく、整理開始!
 …とはいえ相手はアルバム。すぐに中を見てしまいたくなるもので。
「あ、これ肝試しの」
「これは海のだな」
「そういえばジャリ…サトシさん達がこの寮に来たのって、いつぐらいでしたっけ?」
「あ、覚えてないないな…唯一覚えてるのは、その時のみんなの様子くらいで…」

 時は不明。寮に彼らがやってきた頃。
「今日からここに住むのかぁ。ご飯美味しいかな?」
「サトシっていっつもそのことばっかりね」
 上機嫌のサトシご一行。
「そう言えば、私たちの他にあと7人くらい住むんだよね。誰かなぁ?」
 すると、寮の広間で声が。
 気になったので見てみると…
「あなたがポケモン研究の権威、オーキド博士のお孫さんですね!初めまして、僕はシューティーです!」
「やぁ、よろしく。そこの仏頂面じゃなくて、えー、仏頂面君も」
「同じじゃねーか。ま、一応よろしく。俺はシンジだ」
 何てことだろう。まさかあの三人もこの寮に来ていたとは。サトシの上機嫌は一気に吹っ飛ぶ。
「ところで、オーキド博士といえば川柳だな」
「あ、シゲルさんも出来るんですか?!」
 ギクリとシゲル。
「え、いや、まぁ、出来ないわけでもないけど。でも、その、なんだ、あんまり、比べて欲しくないなぁ、と、ね…うん」
 明らかに気まずそうに、途切れ途切れで話す。
 だがそんな様子にはお構いなしのシューティー。
「じゃあ、一句お願いします!!」
(ひぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ)
 もともと人に言われて詠むのは苦手なシゲル。せっかくできようとした後輩が離れてしまうかも。絶体絶命。
「ん、あ、サーーーーーーーーーーーートシ君ッ!!!ちょうど良い所に!!!」
「え??」
 その声は、サトシの物だけではなかった。
「あれ、何?シンジやシューティーもサトシの知り合い?」
「え、いや、まぁ、そうと言えば、そうだし…」
 しどろもどろなシンジ。何とも似たもの同士。
「あー、えっと、久しぶり…」
 空気が重い。居るのが辛い。
(どうしよう 重い空気に 耐えられぬ)
 シゲル、心の中で自然と一句。
「あ、あの、向こうにも人がいるよ…?あたし、挨拶してくるねぇ…」
 耐えかねたアイリス。遂に逃げ出す。
「あ、俺も!」
「僕も行くよ!!」
「おいてくなぁ!!」
 本人の気持ちはともかく、この情景、第三者から見れば明らかにおかしいわけで。
「………何事…??」
 そこにいたハルカとカスミとヒカリは唖然として居た。
「あ、みんな久しぶり」
「…うん」
 気まずい空気から抜け出した先は、またしても重々しい空気があるだけだった。
(声かけずらッッッッ!!!!!!)
 管理人、超困惑状態。

「あ〜、そんな頃もあったなぁ…」
「うんうん…って、何でみんな居んの?!
 何故か後ろにはサトシ達。
「いや〜、声が聞こえたんだよ」
「にしても懐かしいな。あ、これ海水浴のだ」
「これって肝試しのだよね」
「一体誰がこんなに写真撮ってるんだ?」
 みんな、思い思いにアルバムのページを開く。
(………何でも良いけど、さっきの思い出話に俺が出てきてない!!!!
 一瞬そう言おうとしたタケシ。だが、楽しそうなみんなを見て、それを心の隅に置いておく事にした。



〜あとがき〜
ネタ切れのため終わりが緩いです。
あと、タケシは一瞬、素で忘れてたんです。ゴメンタケシ。
まあ、昔から彼は、スペの中で「影が薄い」というレッテルを貼られてたですけどwww
まあ、最初はこんなぎこちない雰囲気だったけど、今はこんなに和気藹々としてるのよって事です。
………ネタ切れなんだってばよ…orz